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腎臓内科

腎臓内科

透析

血液透析14床をもち、入院・外来血液透析治療を行っています。
なお、当病院では旅行透析は行っておりません。

慢性腎臓病(CKD)について

あなたの腎臓大丈夫ですか?
腎臓病は症状が出た時には手遅れです
健康診断の結果を見てみましょう!
Iseki K et al. Kidney Int 63:1468-1474, 2003


腎臓病の有無を知る指標の1つに蛋白尿があります。 これは尿検査で簡単に知る事ができます。
右のグラフが示すように、蛋白尿が多いほど、透析が必要となる進行した腎不全になってしまう可能性が高くなります。
もう1つは、血液検査で測定できるクレアチニンの値を用いて計算されるeGFR(糸球体濾過量)です。 このeGFRの値は腎臓が何%機能しているかという意味に捉えてもらっていいものになります。

慢性腎臓病(CKD)とは、蛋白尿がある、もしくは腎臓の働きが60%未満になった状態が3カ月以上続いている状態をさします。 CKDの原因にはさまざまなものがありますが、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)や慢性腎炎が代表的でメタボリックシンドロームとの関連も深く、 誰もがかかる可能性のある病気です。

日本ではCKDの患者が約1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。
「腎らいぶらり・腎臓病をよく知るための情報サイト」より
CKDのステージ分類
CKDは進行度(eGFRの値)でステージが分けられています。 自覚症状がなくても、まずはご自分のステージを把握してみましょう。

腎機能は慢性的に悪くなると、元に戻りませんが、腎臓の悪化のスピードを遅くすることは可能です。右のグラフが示すようにそのままの生活を続けていると、Aのような経過を辿って透析導入に至ってしまいます。

しかし、生活改善などを行うことで、Bのように透析が必要になるまでの期間を延ばせる可能性があります。 逆に高血圧などが進行すればCのような経過を辿って透析導入時期が早まることもあります。
腎機能は慢性的に悪くなると、元に戻りませんが、腎臓の悪化のスピードを遅くすることは可能です。
右のグラフが示すようにそのままの生活を続けていると、Aのような経過を辿って透析導入に至ってしまいます。

しかし、生活改善などを行うことで、Bのように透析が必要になるまでの期間を延ばせる可能性があります。 逆に高血圧などが進行すればCのような経過を辿って透析導入時期が早まることもあります。

さらに、腎臓病があると心血管疾患の発症リスクが高くなります。 自覚症状がなくても隠れ脳梗塞や心筋梗塞が見つかる方もいます。 もしそのままにして近い将来発症すると、麻痺や寝たきり等、日常生活に支障をきたし生活の質が著しく低下する可能性があります。

ゆえに、慢性腎臓病の方は全身の血管合併症がないか調べ、それに応じた治療目標をたてることが心血管疾患のリスク発症を低くするうえでも大切です。
「NO!梗塞.net-脳梗塞ネット」より
たとえば脳梗塞の場合、右図のような症状が出て、生活の質が低下してしまいます。

慢性腎臓病の治療は増悪因子である血圧・血糖値・コレステロール・中性脂肪・尿酸など様々な治療対象があり、 さらに個々の患者さんの年齢や基礎疾患・血管合併症などの有無で目標とする値も変わってきます。

当院では個々の方に適した治療を計画し、それを達成するための方法を患者さんと一緒に行っていきます。

そのためには慢性腎臓病はお薬を飲む治療だけでなく、生活習慣を改善することが必要です。

そこで、慢性腎臓病との付き合い方を習得し、生活習慣改善を目的とした腎臓病教育入院は有意な治療方法といっても過言ではありません。
あなたもご自分の腎臓や全身の血管を評価し
生活を見直してみませんか?

当院7階病棟では、疾患に対する理解を深め、自己管理が出来ることを目標に腎臓教育入院を行っています。 医師、看護師、栄養士、理学療法士、薬剤師、医療社会福祉士がチームとなり、それぞれの専門的な立場から、個々にあった生活習慣改善へ向けて一丸となって支援をしています。

まずはかかりつけの先生に相談されて、紹介していただいてみてはいかがでしょうか?
かかりつけの先生がいない方で、健康診断の結果、慢性腎臓病が疑われる方は結果を持参いただければ、紹介状がなくても受診可能です。
当院は予約制となっておりますので、事前の予約をお願いします。

受診に関するお問い合わせ

済生会長崎病院 地域医療連携センター 
TEL:095-827-7021(予約専用)
フリーダイアル:0120-548-398

当センターでの透析についてのご案内

前向き透析ライフ~食事制限の緩和~

日本では、およそ386人に1人が透析治療を受けているといわれています。平成28年度時点の透析患者数は32.5万人で、内44%が糖尿病が原因で透析を開始しています。

慢性腎不全は、段階を経て病気が進行していくと腎不全期になり、腎臓の働きが落ちて体に溜まる不要な物質を十分に排泄できなくなります。 そのため、血液中のクレアチニンの増え方によっては透析治療もしくは腎移植の準備をします。

透析療法の種類としては、人工的に行う血液透析療法(4時間・長時間)、自分のお腹の腹膜を使って行う腹膜透析の2種類があります。

当センターは14床(うちHDF4台を含む)を有し、透析導入から維持透析まで対応しております。 現在、血液透析を随時受け入れております。透析日は月・水・金は4時間透析を2クール行っております。 火・木・土においては、長時間透析の専門のクールを導入する事となりました。 患者さんが安全かつ安心できる治療を、医師・看護師・臨床工学士・管理栄養士などのコメディカルも関わり、チーム医療として提供させていただきます。

血液透析とは

血液透析とは、血液を体外へ送り出しダイアライザー(人工腎臓・血液浄化装置)を使って血液中の老廃物や塩分・水分を取り除き、血液をきれいにし体内へ戻す治療です。

長時間透析とは

透析時間を2時間長くしてみませんか?
体の自由と食事制限の緩和が期待できます。

透析は当初の考え方は延命治療でした。しかし、治療の進歩で近年30年以上も透析を受けながら日常生活を問題なく過ごす人も増えてきています。 現在行われている標準的な血液透析は週3回(1回4時間)のものです。

しかし、4時間の短時間透析では、水分や老廃物が体内に残り負担をかけるとも言われています。 長時間透析では1回の透析時間を長くする事により、体内に蓄積した尿毒素をより多く除去することが可能になります。 

長時間透析では除水を1時間 600mlを上限として、1日 3,600ml除水します。 最大のメリットとしては、10年後の生存率が大きく向上することが期待できる点です。 長時間透析は、4時間の短時間透析を行うよりも身体の負担が少なく、透析時間を2時間増やすことで人生の選択肢が広がり、より一層の社会復帰が期待できます。

長時間透析のメリット

  • 十分な透析を行うことにより、ご家族の方と同じ食事が可能になります(食塩制限とカリウム制限は場合によっては必要です)。
    しっかりと食べることが基本となり、食事が自由に摂れるようになります。
  • 長時間透析では薬の減量が期待できます。
    高カリウム血症、高リン血症、貧血などが改善して薬や注射が減量します。
  • 透析治療後の不快症状がなくなり、生活の質向上が期待できます。
    老廃物をより確実に取り除くことができ、さまざまな不快症状(かゆみ・皮膚の色素沈着など)の改善につながります。 また、透析直後のだるさが軽減し、尿毒素等の透析効率の向上も期待できます。
  • 免疫力の向上が期待できます。
    十分な食事を摂れるため、栄養状態が改善し免疫力を高める効果があります。
  • 心臓の負担軽減の手助けとなります。
    長時間透析では、ゆっくり除水することにより透析中や日常の血圧が安定し、心臓の負担が少なくなる効果があります。また、心不全の悪化も防止できます。 血圧が安定することで降圧薬(内服薬)も減量できます。
  • 関節の痛みを和らげます。
    アミロイドは時間をかけないと十分に除去できません。 長時間透析ではアミロイドをしっかりと除去し、関節や骨への沈着を防ぐことで関節の痛みを和らげます。また、透析アミロイド症の悪化を防止します。
  • 短時間透析と比較し延命効果があると言われています。
    尿毒素をたくさん取り除くことで動脈硬化の進行を遅らせることができます。 透析患者の合併症を回避する確率が高くなります。



■長時間透析に向いている方
  • 希望するすべての患者さんに向いています。
  • 若年者や就労中の働き盛りの方や食欲旺盛な方に向いています。
  • 高齢者や血圧管理が難しい方、合併症が多い方等に向いています。

長時間透析のデメリット

  • 治療による拘束時間が長くなります。
  • 臥床時間が長くなり、運動不足に陥りやすくなります。
    (当センターでは、透析中のリハビリが実施できるようになる予定です)
  • 長時間透析が実施可能な施設が限定されます。

栄養指導について

患者さん毎に担当の栄養士が適宜(月1回以上)指導いたします。 また、4時間透析と長時間透析では、食事制限の程度が異なりますので、それに応じた栄養指導をいたします。
食事についての疑問・不明な点などがありましたら、いつでもご相談ください。

フットケアについて

患者さんに応じて透析センター看護師がフットケアを実施しています。 また、医師の診察も定期的に行い、治療の早期発見と早期治療に心がけています。
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