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臨床工学室

臨床工学室の概要


臨床工学室では医療機器管理業務を中心に、透析業務、内視鏡業務、心臓カテーテル業務、ペースメーカ業務、血液浄化・補助循環業務等、多岐にわたる業務を5名の臨床工学技士にて行っています。また、これらの業務をローテーションにて行うことで、幅広い知識・技術を持った臨床工学技士の育成に力を入れています。
限られた人数の中で、日々業務量が変化するそれぞれの業務に都度、必要な人数を必要な場所に配置し、各業務で得られた知識・技術を他の業務でも最大限に発揮して、適切かつ安心安全な医療の提供を行えるような体制を整えています。

《基本理念》
・医学と工学の知識を最大限に発揮し、安全で信頼性の高い医療機器の提供を心掛ける。
・高度医療機器の特性・操作法を熟知し、患者さんに適切で質の高い医療サービスを提供する。

スタッフ紹介

臨床工学技士            5名
 ・透析技術認定士          (1名)
 ・3学会合同呼吸療法認定士      (1名)
 ・植込み型心臓不整脈デバイス認定士 (1名)
 ・心血管インターベンション技師   (1名)

主な業務内容

医療機器管理業務

・中央管理機器の貸出・返却管理
・使用後機器の清掃・消毒
・日常点検や定期点検等の各種保守点検
・機械的トラブルに対する対応(部品交換・修理等)
・操作的トラブルに対する対応(操作説明・設定変更等)
・年間点検計画表や点検マニュアル等の作成
・新規導入や買い替え時期の検討(購入・廃棄計画の作成)
・関連物品(呼吸回路・人工鼻等)管理

人工呼吸器・輸液ポンプ・モニター・フットポンプ等、約70機種450台の医療機器を中央管理し、医療機器の性能・安全性維持を目的として、日常・定期点検を中心にオーバーホールや部品交換を行っています。

不具合が生じた場合は、出来るだけ迅速に対応し、故障時には可能な限りの修理を行っています。また、貸出・返却管理を行うことで、使用後の清掃・消毒・点検漏れを防ぎ、次回使用の患者さんに清潔で安全な機器の提供を心掛けています。

≪主なメンテナンス講習会受講終了機器≫
・人工呼吸器(BENNETT 840)
・人工呼吸器(Servo-i)
・深部静脈血栓予防用フットポンプ(SCD 700)
・透析装置(DCS-73)
・透析監視システム(FNWeb+)     等

透析業務

・透析室内医療機器の保守点検
・透析液濃度・清浄度管理(熱湯・クエン酸消毒システム導入)
・透析関連物品(透析液・ダイアライザー等)管理
・透析監視システム(FNWeb+)の運営
・透析準備(セッティング・プライミング等)
・治療支援(穿刺・穿刺介助・返血作業・血圧測定等)

透析室には透析治療が可能なベッドが14床あり、血液透析(HD)を主に、血液濾過(HF)や血液濾過透析(HDF)、 除水目的の限外濾過(ECUM)を行っています。また、長期に血液透析を受けられている患者さんの他に、初めて血液透析を受けられる患者さん、検査や手術のため転院された患者さんの一時的な血液透析等を行っています。

快適な透析を受けて頂けるように、全14床に電動リクライニングベッド・15型液晶テレビを設置しています。急変時には迅速に対応出来るよう、各ベッドサイドには酸素や吸引設備を設置し、透析室内には除細動器・セントラルモニタ等を常備することで常に安全な透析の提供を心掛けています。

内視鏡業務

・内視鏡室内医療機器の保守点検
・内視鏡システム装置の操作
・電気メス装置の操作
・上下部内視鏡検査及び治療時の直接または間接的介助(医師サポート業務)
・気管支内視鏡検査時の直接または間接的介助(医師サポート業務)

内視鏡室では、検査及び治療時の業務支援として、内視鏡システム装置や内視鏡スコープ、電気メスの準備・操作等を看護師と共に行っています。

内視鏡検査及び治療時には少なからず苦痛を伴います。
患者さんの苦痛を少しでも軽減できるよう、検査及び治療時には出来るだけ寄り添い、また、的確かつスピーディーに手技が行えるよう日々、努力しています。

心臓カテーテル業務

・心カテ室内医療機器の保守点検
・心カテ関連物品管理
・IABP(心臓の仕事量を軽減する機械)操作
・ECMO(心臓と肺の機能を補助する機械)操作
・ポリグラフ(心電図や血圧を測定し記録する機械)操作
・IVUS及びOCT(心臓の血管内を見る機械)操作
・検査及び治療時の直接または間接的介助(医師サポート業務)

心臓カテーテル室では、医師・看護師・放射線技師・臨床工学技士がチームとして携わり、狭心症や心筋梗塞に対する検査・治療を行っています。 また、閉塞性動脈硬化症(ASO)といった下肢動脈疾患に対しては、心臓の治療と同じく、バルーン拡張・ステント留置などの血管内治療を行っています。
急性の心筋梗塞等に対する緊急心カテ治療時には、24時間365日の緊急呼出体制にて対応しています。

患者さんが安心して安全に検査・治療を受けて頂けるように、各部署のスタッフがそれぞれの専門分野の知識・技術を最大限に発揮し、ワンランク上のチーム医療を提供できるよう努めています。

ペースメーカ(PM)業務

・体外式PMの操作
・PM留置術時のプログラマー操作(最適な設定)
・手術時におけるPM患者さんのEMI(電磁干渉)対応
・入院及び外来患者さんのPMチェック(緊急・定期対応)
・情報通信機能を利用した遠隔モニタリング管理

除脈性不整脈に対しては、緊急的に体外式PMを使用したり、PMを体内に植込むといった対応が必要となりますが、適切な設定を行わなければ逆に患者さんの負担が大きくなってしまうこともあります。
医師との綿密な連携・指示のもと、熟練の臨床工学技士がプログラマー操作を行い、患者さん一人一人に最適な設定を行っています。

来院による1年に1~2回のPMチェックまたは遠隔モニタリングによる月1回のPMチェックを責任を持って継続的に行い、早期に設定の不具合や病気の進行具合を発見することで、患者さんがよりよい日常生活を送れるようサポートしています。

血液浄化・補助循環業務

・持続的血液濾過透析(CHDF)
・持続的血液透析(CHD)
・持続的血液濾過(CHF)
・エンドトキシン吸着
・単純血漿交換(PE)
・二重膜濾過血漿交換(DFPP)
・血漿吸着(PA)
・LDL吸着
・白血球除去(LCAP)
・腹水濾過濃縮再静注(CART)
・大動脈内バルーンポンピング装置(IABP)操作・管理
・経皮的心肺補助装置(ECMO)操作・管理

病棟での重症患者さんに対し、持続的血液浄化療法(CBP)を主に、各種アフェレシス療法を行っています。 
また、心肺機能が著しく低下した患者さんに対し、経皮的心肺補助装置(ECMO)や大動脈内バルーンポンピング装置(IABP)を使用して、循環補助を行っています。

アフェレシス療法は除去目的の原因物質によって、使用する物品や方法も様々であり、基本的に緊急的な治療である為、突然の依頼に迅速かつスムーズに対応できるよう、日々、知識と技術の向上に努めています。

その他

・呼吸療法業務(使用中点検・換気モードアドバイス等)
・中央管理機器に関する勉強会開催
・緊急の透析・心カテ・アフェレシスに対する24時間365日の拘束待機体制(緊急呼出業務)

緊急業務に迅速に対応出来るような体制の構築、患者さんの治療を支える医療機器を職員が適切に使用出来るように勉強会を開催する等、常に地域医療への貢献を意識して業務を行っています。

臨床工学室よりメッセージ

患者さんと直接接する機会はそれほど多くはありませんが、病状回復に向けて縁の下で支える役割として臨床工学技士一同、他のスタッフと連携を取り全力で業務を行っています。 
退院時や治療終了時、患者さんが笑顔で帰宅されるのを目標にこれからも頑張ります。
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